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さえぐさはなえが語る『あした、どこかで。2』その4

こんにちは、さえぐさはなえです。

今回は私が作中で密かに挑戦していたテーマ『諸行無常』について、最後の解説になります。

ここで一番大切なのは『諸行無常』を知って、さぁどうする?ということです。
「形あるものはすべて壊れる」という意味ですから、もう何もしないという選択もあり得るわけです。だって馬鹿馬鹿しいですよね。努力なんて無駄みたいにも思えてきます。
ここで白状してしまいますが、私は元来かなり無気力な人間です。用事がなければ朝起きることすら面倒な人です。
不安で眠れないことがあっても、何かが楽しみでワクワクして眠れなかったなんていう経験は、一度もしたことがありません。

そんな私でも、眠るのがもったいなくて朝まで起きてしまっていたことならあります。ちょっと救いがありますね。
どうして?それは単純に楽しかったから、うれしかったから。
考え方としては、これでいいんじゃないかと思います。人間はどんなに起きていたくても、必ず眠る生き物です。死という永遠の眠りが訪れるまで、それまでの間を何か道草しながら思い切り楽しんだほうがいいということなのかな、と今のところ思っています。
ただ、生き物って知らず知らずの間にも必ず周りの誰かと関係しながら生きているものなので、あまりに我欲に沿った生き方をしていると、誰かを不幸にしてしまっているかもしれません。
まずは自分の身近なものから大切にして生きていくことが、より“質の高い”幸せが得られる秘訣なのではないでしょうか。

さて、実りの世界に来たスズメは、ごほうびをたくさん頬張ります。その姿を「たくさん食べるんだよ」と見守るスズメ。このスズメは、これから先にまた険しい道があることを知っています。中には耐えられずに死んでしまうスズメがいるかもしれません。ここでしっかり栄養をつけて力を蓄えておいてほしいという目で見ているのです。だからこそ、幸せは感じられる時に思いきり享受しておいたほうがいいのかなと思います。

ごはんが豊富にある最高の環境に、スズメは「ずっとここに、いれたらいいな。」と願います。

しかしそんな願いも虚しく、たちまち厳しい冬がやって来てしまいました。
寒くて凍えそうで心細かったところに、同じく寒さに耐えるスズメが駆け寄って来てくれます。

「いっしょにあったまろうよ。」

寒さの中、ほんの少しのあたたかさを分け合う仲間。身を寄せ合って風を避けたり、ジョークを言って笑わせたり、雪をつついてご飯を探したり、冒険したり…。そんな風に仲間と一緒に過ごしていくうちに、冷たくてただ辛いだけだった雪も気がつけばなんだか楽しいものに変わっていました。
スズメは辛いことがあっても勇気をもって少しずつ前に進む中で、地上にある「おひさま」を見つけたのです。

おわり

初めて見るごちそうに戸惑いながらも、食べ方を見つけて味わうスズメ。

頭を雪で濡らしながらも、駆け寄ってきてくれた大切な友達。

どうやら、スズメは何か見つけた(気づいた)ようです。